Physical Disc
West Coast Live : ProjeKct Four
リリースは1999年
Robert Fripp - guitar
        Tony Levin - basses, Stick
        Trey Gunn - touch guitar, talker
        Pat Mastelotto - electronic traps and buttons
 all music composed by Fripp, Gunn, Levin, Mastelotto
        except 'Deception of the Thrush' composed by Fripp, Gunn, Belew, arranged by ProjeKct Four
         
A Ton Prob produced by Robert Fripp & David Singleton on behalf of ProjeKct Four
  プロジェクト4は、1998年10月23日から11月2日までの間にバンクーバー、シアトル、ポートランド、サンフランシスコで計7公演を行っている。 本アルバムは、7回の公演から様々なパートを編集した作品である。
        事前に10日間ものリハーサルを行ったこと、楽曲にプロジェクト2の曲が含まれていること、そして 
        y2King Crimson 
        の楽曲に発展したパートがあることから明らかなように、プロジェクト4は、(インプロ・パートこそあれ)作曲した楽曲中心の演奏となっている。 フリップのインプロ時の悪癖としてサウンドスケイプ、ピアノ音ソロの他に、実は歪んだギターのロング・トーン垂れ流しというのがあると密かに思っているのだが、プロジェクト4は他のプロジェクトと異なりその悪癖の頻度が少ない。 作曲された楽曲を演奏するという足枷が、プロジェクト4では上手く働いているように思える。
           
The Roar Of P4 : ProjeKct Four
  | 
        
リリースは199年
 Robert Fripp - guitar
Tony Levin - basses, Stick
Trey Gunn - touch guitar, talker
Pat Mastelotto - electronic traps and buttons
A Ton Prob produced by Robert Fripp & David Singleton on behalf of ProjeKct Four & King Crimson Collectors' Club
King Crimson Collectors' Club の7作品目としてリリースされた本アルバムは、1998年11月1日のサンフランシスコの 
        7th Notes でのライブ ( 計7回の公演の内、6回目 ) 
        を収録したものである。
全7公演の中から継ぎ接ぎの編集を行った 『 West Coast Live 』 
        と比べ、演奏が良い意味でラフ。 無論本作品においてもそれ相当以上の編集は加えられているのであろうが、中弛みの部分も含めよりライブ色が強い。
また(深読み過ぎているとは思うが)、プロジェクト2からの楽曲の使用、y2King 
        Crimson に流用すれるフレーズの頻出から、Double Trio Crimson と y2King Crimson 
        のミッシング・リングがプロジェクト2とプロジェクト4と裏付けることもできる。
DGM Live Library
1998/10/23 Fox Theatre, Boulder, United States
ProjeKct Four の初日の演奏を収録した作品。
P4 
	  のライブ数7回というのはP2には遥か及ばないものの、P1の8回(4日)やP3の5回と大差ないものの、ツアーを始める前に10日間ものリハーサルを行っているのが他の 
	  ProjeKct との大きな違いである。
	  ではその成果が初日から大きく現れているかというとそうでも無いところが面白い点で、他の日と比べて手探り感満載なライヴとなっている。 
	  そのリハーサルで何をやっていたかというと、P2 のマテリアルの中から可能性のある楽曲の P4 
	  フォーマットへの展開を試みていたのではないかと睨んでいる。 特に ConstruKction 
	  シリーズはそのまま次期クリムゾンのマテリアルに昇華しているだけに、P4 の果たした役割は大きかったと思う。
(追加:2019年6月10日)
1998/10/24 Fox Theatre, Boulder, United States
前日と同じ、Fox Theatre での ProjeKct Four でのライヴ。
	  前日の手探り状態の演奏と異なり、走りまくりの演奏となっている。 
	  これだけの差が生じていると、2日目にして熟れてきたというより、1日目の演奏後にそれなりの反省会を開いたのではないかと思われる。 『 West 
	  Coast Live 』 に付いているシド・スミスの P4 同行日記を読むと、初日にも ” VROOOM ” 
	  を演奏したとの記載があり、初日の演奏のいくつかを無かったことにしたことからも、反省会開催も邪推ではないと思う。
特にこの日の成果は ” 
	  Contrary ConstruKction ” 
	  で、最初から4人共切れまくったように演奏しており、いつまでもこのテンションは続かないだろうとの予想を裏切り10分強も続く。 
	  これをライヴで直接体験したかったと思わせるだけの凄さがある。
        (追加:2019年6月10日)
1998/10/27 Richard's On Richards, Vancouver, British Columbia
 ProjeKct Four の全7回のライヴの内、3度目の演奏。
        本ライヴの特徴は、長尺の ”  Vancouver Set One  ” 
        が収録されていること。 もちろん全編インプロの嵐というわけではなく、クリムゾンを含めた他の楽曲で聴くことができるフレーズが使われている。 とは言え、10日間ものリハーサルを行った上でライヴを行った 
        P4 が、ライヴでこのような演奏をしていたのには驚く。 
        未だ全容が掴み難い P4 
        だけに、こうなってくると全ライヴ&リハーサルの音源化を期待したい。
        (追加:2010年10月10日)
1998/10/28 The Fenix, Seattle, United States
 本演奏の白眉は、冒頭に持ってきた ” Seizure ” のスリリングな演奏であろう。
ProjeKct Four、というか一連の 
	  ProjeKct においてタイトルによる曲の識別にさほど意味がなかったりするが、冒頭から ” Seizure ” 
	  の特徴的なリフがでてきた所で惹きつけられ、そのまま長くも短くもない(とは言え13分)の演奏に圧倒されることになる。
	  本曲でピークを迎えたことで、他の楽曲の演奏はあまり冴えず、” X chayn jiZ ” や ” ProjeKtion ” 
	  の演奏は冗長的な所が気になってしまう。 それ以外の聴きどころとなると、” VROOOM ” 
	  でのベースのフレーズにちょっと変化を持たせているとこ程度である。
(追加:2019年6月10日)
1998/10/30 Crystal Ballroom, Portland, United States
  ProjeKct Four のライヴの中で、唯一の非連日ライヴを収録したもの。
他の日のライヴとの違いは、” X chayn jiZ 
	  ” がタイトル通り ” Super Slow X chayn jiZ ” になっていることと、” Seizure ” 
	  のイントロにレヴィンとガンによる ” Improv Two Sticks ” が挿入されていることになる。
	  後者はともかく、前者は成功しているとは言い難い。 ” X chayn jiZ ” 
	  のテンポを落としたことで、どんなグルーヴが生じるかを試みたのだと思うが、元々冗長的なところがあった楽曲だけに、間延びした印象しか残らない。
	  その結果なのか判らないが、” VROOOM ” 中盤部でのリズムとリフのズレは、意図的なものというより演奏ミスである可能性が高い。
(追加:2019年6月10日)
1998/11/1 7th Note, San Francisco, United States
  King Crimson Collectors' Club 7作品目としてリリースされた 『 The Roar Of P4 』 
	  と同日のライヴ。
” VROOOM ” が追加収録されている。
        (追加:2019年6月10日)
1998/11/ 2 7th Note, San Francisco, California
 1998年に7回のライヴを行った ProjeKct Four 
        の最後の演奏。
        「 The best show of th P4 tour 
        」と記載されているが、これはライヴの現場に立会うことができて初めてわかる感想だと思う。 フリップによるフラクタル分裂という標語を頼りに、加工された 
        ProjeKct の音源のみを聴くことができた今から10年以上前に比べれば、こうした音源を確認することができるのは素晴らしいことだと思うが、The 
        best show と判断できるほどの情報量は無い。
        メンバーのスケジュールによって活動が制限されたのは致し方ないが、ProjeKct 
        Two 以外の演奏も日本で観たかった。
        (追加:2010年3月28日)